弘前大学農学生命科学部の城田安幸助教授は2003年6月30日、皮ごと搾った加熱処理など
の防腐処理を施さないりんごジュースで、人間の体内の免疫力活性効果を確認したと発表した。


 城田助教授は、りんごジュースを継続して与えたマウス実験で、抗がん作用や免疫力活性化を確認している。
昨年12月から、人間にも同様の効果があるか検証するため、学内外の二十代から五十代のボランティア男女三十七人を対象に、一日に生ジュース約四百cc(二個分)を、五週間連続して飲んでもらい、医学部と共同でそれぞれの体内の免疫力変化を調べた。
 研究では、飲用前と後でリンパ球の一種で腫瘍細胞を溶解する機能を持つとされる「ナチョラルキラー細胞」のあきらかな活性が確認され、活性値が低かった人ほど、上昇傾向が顕著なことも分析データーに見られたという。
城田助教授は「現段階ではまだ、りんごジュースの、どの成分が有効なのかは分からないが、健康食品としてのりんごの可能性がまた一つ高まった」と話している。

結果は、九月に愛知県で開かれる日本癌学会で発表する予定。