日本でも近年、大腸がんの患者が急増しているという。これは、食生活が欧米化したためで、特に肉食が多くなったことが影響している。
 腸の中にはビフィズス菌や乳酸菌等善玉菌と、大腸菌等の腐敗をもたらす悪玉菌がいる。
 この悪玉菌のえさとなるのが、肉に含まれるタンパクである。肉食が多くなると、腸内の悪玉菌が増殖し、ガンが発生しやすい環境を作ることになる。また、悪玉菌は腐敗毒素や発ガン物質を生産していく。
 一般にこれらは腸で吸収され血管を通り肝臓で解毒される。しかし、悪玉菌には解毒された発ガン物質を再び毒素に変えてしまう働きがある。つまり、少しの発ガン物質でも何度も腸内を通るため、大量の発ガン物質を取ったのと同じことになる。これが大腸がんの原因になる。
 一方、これに対抗するのが善玉菌である。善玉菌(ビフィズス菌)のえさはアップルペクチンなどの食物繊維。食物繊維は便通が良くなるほかに、善玉菌(ビフィズス菌)を増やして悪玉菌の繁殖を抑える働きがある(ビフィズス菌が増加すると腸内が弱酸性になる。
 悪玉菌は中性でないと生きられない)。肉食後のデザートに、りんごを食べて悪玉菌の繁殖を抑えることも大腸がんの予防につながる。